2015

 
 

近年、STMやAFMに代表される走査プローブ顕微鏡(SPM)は、単なる表面の原子配列解析手法としてではなく、物理現象を原子スケールの空間分解能で調べる先端計測手法として様々な発展を遂げている。例えば、表面電子の干渉現象からエネルギー分散関係を調べることができる準粒子干渉、表面のスピン構造を実空間観察可能なスピン偏極STM、単原子・単分子レベルで励起スペクトルを調べることができる非弾性トンネル分光、単分子探針を用いた高解像度AFMによる分子の化学構造の可視化など多岐に渡っている。これらの測定手法の適用範囲は広く、今後も高温超伝導体、トポロジカル絶縁体、強相関電子系、様々な量子磁性材料などの多くの新奇量子材料の研究において強力な実験アプローチとなることは間違いない。しかし、様々な理由から、特に若手でSPMを用いた実験アプローチをとる研究者は減少する傾向にある懸念がある。そこで本研究会では、表面現象にとどまらず、バルクにおける多岐な固体物性を研究対象にしてきたSPM研究者、様々な良質単結晶作成技術を有する研究者、シミュレーションを行う研究者などに講演を行っていただき、分野間でのシナジーを引き起こすことでSPM研究のコミュニティの活性化を図ることが狙いである。特に、今後どのような材料と、そこでの新奇現象に対し、どのようなアプローチが可能であるかを議論し、SPMを実験アプローチとする若手研究者の指針となることを目指す。

 


新学術領域『スパース モデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成』主催


走査プローブ顕微鏡を用いた先端計測でアプローチする物性研究 第一回研究会』


日時: 2015年4月13日 9:20−17:50

会場: 東京大学柏キャンパス 東京大学物性研究所6階大講義室(会場へのアクセスはこちら

参加費: 無料(但し、懇親会は有料。)


    岡田真人(東大新領域) 9:20-9:30

はじめに

  

    吉田靖雄(物性研) 9:30-9:50

研究会趣旨説明


    岡博文(東北大多元研) 9:50-10:30  

ナノ磁石の磁化反転メカニズムを探る


    宮町俊生(物性研) 10:30-11:10

原子1個の磁性を視る・制御する


        10 分休憩


    観山正道(東大総合文化) 11:20-11:50

スパースモデリングによるSPMデータの解析手法


    岡田佳憲(東北大AIMR) 11:50-12:30

トポロジカル絶縁体と遷移金属酸化物薄膜のSTM/STS


    町田理(理研CEMS) 12:30-13:00

銅酸化物高温超伝導体のSTM/STS


        昼  食


    塚原規志(東大新領域) 14:30-15:10

金属表面上に吸着した単一鉄フタロシアニン分子の磁気的性質


    川井茂樹(バーゼル大学物理学科) 15:10-15:50

分子の化学構造を見る顕微鏡:超高分解能原子間力顕微鏡


        10 分休憩


    綿重達哉(京大物理学科) 16:00-16:30

STM/STSで見る鉄系超伝導体FeSeの双晶境界における異常近接効果


    松本洋介(物性研) 16:30-17:10

強相関電子系におけるトポロジー - YbAlB4における例-


    芳賀芳範(原子力機構先端基礎セ) 17:10-17:50

アクチノイド重い電子系の超高純度試料で見えてくる新奇物性



        18時半より 東大柏キャンパス内の『お魚倶楽部はま』にて懇親会(会費4000円、定員35名)


懇親会への参加を希望される方は、数に限りがありますので、お早めに長谷川研吉田までご連絡ください。

(yyoshida@issp.u-tokyo.ac.jp)


研究会への多数の参加をお待ちしています。


発案・企画者:

吉田靖雄、 岡田佳憲、岡田真人

77名の出席者があり、活発な議論が行われました。10名の招待講演者のみなさま、出席してくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。研究会とその後に行われた懇親会の模様UPしましたので、ご覧ください。